株、FXなどの金融市場でレジェンド本となっている「先物市場のテクニカル分析」を知っていますか?
かなり古い本ですが、大人気すぎて何度も増刷され、しっかり相場分析をしたいなら絶対に読むべき本とされています。
この度、実際にこの「先物市場のテクニカル分析」を購入し最後まで読んだので、レビューしていきたいと思います。
この記事を最後まで読むと、「先物市場のテクニカル分析」について
- どういう内容が書いてあるのか
- 私が得られた新しい発見
- レジェンド本とされる理由は何か
- どういう人が買うとメリットが大きいか
- あなたがこの本を買うべきか
などが分かります。
もくじ
レジェンド本「先物市場のテクニカル分析」とは?
「先物市場のテクニカル分析」は相場分析をしっかり研究するなら絶対読んでおいた方が良い本とされています。
日本語版の刊行から四半世紀を経た今日でもトレーダー達のバイブルとして熱烈な支持を受け続けている一冊です。
内容はこれまで先人たちが長い間かけて統計を取り、研究して来た成果を解説を踏まえて見る。と言った感じです。
かなり研究&勉強チックな内容、雰囲気となっているのでそれなりの読み込む覚悟が必要でしょう。
また「先物市場」と書いてありますが、FX、金、石油、どの相場でもこの本は有用です。
テクニカル分析の大きな力の一つは、その普遍性にある。
時間、市場環境を問わずに適用ができる。日計りのトレーディングにも、数年にわたるトレンド分析にも有効なのがテクニカル分析である。
金・石油・大豆等の伝統的商品先物にも、通貨・金利・株式先物指数等の金融先物にも利用できる。
また、テクニカル分析をもってすれば市場間あるいは国際間の境界線を渡ることはいとも簡単である (本書)
テクニカル分析は「市場の過去の動き」から「人の心理」を読み、未来の価格を予想するものです。
そのため、市場が株なのか、GOLDなのか、FXなのかは関係なく、テクニカル分析は適応できます。この本に興味があって、今この記事を読んでいるあなたが株か、FXか、何をメインに取引しているかはさほど関係ないと思います。
しかし、市場や通貨ごとにチャートの特徴はあるため、中級者→上級者になるには、その特徴の研究も必要になるでしょう。
私がこの本を買った理由
私はFXを半年ほど前からやっています。
成績は買ったり負けたり、口座残高は増えも減りもしません。
EURUSD 1H
完全に上がりそう pic.twitter.com/kcsCWQOUxF— ウィリス@ブロガー (@uxirisu) 2019年4月9日
相場分析が足りないと考え、「FX勉強おすすめ本」と検索し、良いものを探していました。
しかし、だいたい「手軽」「簡単」「誰でもできる!」という初心者向けのものばかりが紹介され、中級者向けのものが少なかったです。
こういうやつな↑
そこで、「中級者向け」「プロ向け」のもので検索し、市場を学問的に扱う本を探し始めたんです。
そこで圧倒的評価を受け、四半世紀に渡り第36刷まで増刷された「先物市場のテクニカル分析」を見つけました。
(平成2年第1刷・平成30年第36刷←私は第36刷を買いました。)
出来高の見方はこいつに教えてもらったで pic.twitter.com/rqKdhOhzO5
— ウィリス@ブロガー (@uxirisu) 2019年4月9日
内容は期待通り、学問&研究的で実際の統計グラフや、「なぜそうなるか」の裏側のステップまで記述してあります。
一般の方からすれば、難しいと思いますし、値段もそこそこします。
しかし、内容を考えると200%買う価値があると思います。
実際に買って読んでみた
ここからは内容や感想、どういった人におすすめなのか見ていきます。
本の内容
さて、ここからは本の内容をネタバレにならない程度に話していきます。
テクニカル分析の基本理念、チャートの描き方をはじめ、チャート・パターン、出来高と建玉、移動平均、オシレーター、ポイント・アンド・フィギュア・チャート、エリオット・ウェーブ、サイクル理論等、チャート分析に必要なノウハウを、やさしく、そして長年にわたり市場で揉まれてきた正確でこなれた邦訳によってわかりやすく解説する。(amazon商品詳細)
もう、amazonの商品詳細ページに書いてありましたが、もくじ的な内容は次の通りです。
- ダウ理論
- ランダムウォーク
- トレンドの概念
- サポートとレジスタンス
- リバーサル(反転)
- ギャップ(窓)
- プライスパターン
- ヘッドアンドショルダー(三尊)
- トリプルトップ、ダブルトップ
- ネックライン
- ソーサー
- Vリバーサル
- アセンディング・ディセンディング・シンメトリカル・トライアングル
- 目標値の設定方法
- だましシグナル
- フラッグ・ペナント
- ダイヤモンド・レクタングル
- ウェッジ
- 建玉と出来高
- ブローオフとセリングクライマックス
- 季節要因
- コミットメンツ・オブ・トレーダーズ・レポート
- 移動平均線、加重、指数平滑
- オシレーター、モーメンタム解釈
- RSI、ストキャスティックス、ウィリアムズの%R、MACD、
- 2本の移動平均線を使ったオシレーター測定方法
- ポイント・アンド・フィギュア
- 水平カウント・密集価格帯分析
- トレンドラインの引き方・チャートパターン・チャネルライン
- トレーディング戦術、目標価格設定テクニック
- エリオット波動
- エクステンション・ダイアゴナルトライアングル
- 調整波・ジグザグ・フラット・チャネリング
- フィボナッチ比率
- ロガリズミック・スパイラル
- サイクル研究・フィボナッチのファン理論
- サイクル理論、コンドラチェフの波、季節サイクル
- リスク・リワード
- タイミング決定
- マネーマネジメント
- トレード戦略
- チェックリスト
はい。何言ってるかわかりませんね。(笑)
ただ、読んでいて重要だと思った項目は太線にしてみました。
この本をしっかり読み込んだあとは、それぞれの用語や考え方がわかるようになっています。シンプルにかなりの知識がついたと思っています。
(知識と技術は別なのでこれからも相場と向き合っていく必要はあります)
内容のレベルは中級者向け、「研究の引用」や「しっかりした統計データ根拠」もみられます。
さらに、この本の主張は「こうするべきです!」というパターンもありますが、「こうするべきというのが一般論ですが、反論もあります。」など、多角的な視点で批判的に書かれています。
決して、明確に「市場で勝てる手法」は書かれていません。
そんな簡単に勝てるほど相場は甘くないですし、チャートの細部の解釈は人によって異なるため、単一の答えがある方がおかしいですね。
そこは自分で突き詰めるところで、この本では普遍的な大枠での相場分析・環境認識の方法が書かれています。
読破にかかった時間
読むだけなら10時間ほどあれば、読めます。
しかし、それでは知識がつくだけで技術がつきません。
つまり、本を読んだだけでは勝てないと思います。
この本はチャートを見ながら確認理解し、体感納得することで技術を習得していくタイプの本だと素人ながら感じています。
これから、チャートを見ながら、たびたびこの本を開くことになるでしょう。
そう考えれば、真の意味でこの本を読破するには数ヶ月〜1年ほどかかるかもしれません。
この本から私が特に得たもの
この本から特に得たことは「建玉・出来高」という項目を踏まえて、相場分析する方法です。「建玉・出来高」の見方が詳細に書かれていました。
これまで価格チャートしか見ていませんでしたが、価格が重要度5なら、出来高は3、建玉は2くらいの重要度があるようです。
思ったより重要ですね(汗)
この本を読んで「建玉・出来高」による相場圧力の方向を知る方法を知り、過去チャートで検証して見ました。
実際、かなり有用だと感じています。
トレンド転換予兆やトレンドの方向性を自信を持って認識できるようになりました。
今まで、ちょっと予想外の方向に動くとあたふたしていたんですがそれがなくなりました。
ある動きはロスカットによる建玉減少を伴う動きなのか、新規参入者によるものなのか・・・
いろいろ背景がわかると、どっしり構えて精神的にフラフラしなくなったので楽です。
私の場合は「建玉・出来高」の相場認識方法が知らなかったので一番メリットがある情報でしたが、あなたにとっては違うものかもしれません。
どういう人向けの本なのか
この本はどういう人向けの本かまとめてみます。
- 中級者向け
- 相場の本質を知りたい人向け
内容は中級者向けです。
基本的な用語は知った上で挑んでください。
(トレンド、ロング、ショート、チャート、ポジション、ブル、ベアなど)
また、この本は相場の本質を理解したい人向けです。
「だれでもカンタンに!」「このシグナルが出れば売買するだけ!」のようなものを求めている方には適していません。
相場分析を学ぶ本であって、ある単一の手法を解説するものではありません。
自分の手法がある人はそれのブラッシュアップに役立てると思います。
また、相場環境認識をマスターすることで大きく外れた環境認識はしなくなると思います。
私以外の人の評価レビュー
ここで私以外の人の評価レビューを見てみましょう
この本を読了したとき、なんでこんなに良いレビューばかりなのか疑問が解けませんでした。
しかし、改めて読み返し、相場と照らし合わせたとき、ようやく記載されている内容を理解することができました。また、それと同時にこの本がどれだけ基本的で大切にしなければならない視点を伝えていたかを感じました。
私は早く読み進めたい気持ちから、頭に入っていないのに読み進め、読んだ気になっていたのです。振り返り検証した結果、この本に記載されているアドバイスを守っていれば抑えられた損失が沢山ありました。
本を読むだけでは身につかないものだったのかもしれませんが、大変勉強になりました。
マーケットに知識もないまま挑戦して、損を抱えたことを契機に購入した。
テクニカル分析を体系的且つ網羅性を持って勉強するにはこの本が最適と考えている。
個人的にはこの本を読むことで2つの大きな成果が得られた。
・相場の見方に感情が一切入らなくなったこと。
・初心者がよくやる株の塩漬けをシステマティックに防止する術を得たこと。
ちなみに私はダラダラと戻りながら読んでいたので、読破に要した時間は3カ月半である。
「先物市場のテクニカル分析」
武器図鑑って感じです。
凡人の私が要約すると
相場行きたい?
じゃ、こんな武器があるから
この中から好きなの選んで極めろや、でしょうか。 pic.twitter.com/Y2Fkn4FFXJ— あめりす (@amerisuke) 2018年12月24日
テクニカルの本を買いに最寄り駅のTSUTAYAに行ったのですが良い本がありませんでした。ですので,「先物市場のテクニカル分析」を読みながらBTC過去チャートをおとなしく分析することにしました。 pic.twitter.com/bpInIaGwkB
— ネコlove 978 (@nyankozukusi) 2018年8月23日
ウルフ殿も推奨していた『先物市場のテクニカル分析』、さすがに専門書だけあってテクニカルタームが多くて下忍の拙者には頭が痛くなるのでござるが、高いレベルになりたいなら高いレベルの人のいる環境に近づくことが手っ取り早いので、毎日1ページでも咀嚼して読むよーにしてるでござる
— 株式忍者おにんにん (@oninnin_stock) 2017年9月13日
先物市場のテクニカル分析
第6章 出来高と建玉 はまた為になる。自己投資にお金をケチってはいけないぞー。 pic.twitter.com/6qJ1N6XvJh
— Hpp (@Hpp_tbr) 2017年4月15日
まとめると、
「内容は簡単ではない」「良本」「かなりの情報量」といったところでしょうか
「先物市場のテクニカル分析」の悪いところ
レジェンド本ですが、もちろん悪いところもあります。
私が感じた点をまとめてみました。
- 本タイトルで損している
- 図の文字が小さくて読めない
- 教えるのがちょいヘタ
本のタイトルで損している
本のタイトルで損していると思います。
このタイトルだと先物市場だけのテクニカル分析が書かれていると解釈されそうです。
実際はどの市場でも適応できるような知識が書かれています。
タイトルを「マーケットのテクニカル分析」とかにしておけば、私のようなFXユーザーもすぐにこの本を見つけられたのでは?と思ってしまいます。
もちろん、先物市場の話がよく出てきますが・・・うーん。
ちょっと勿体無い気がしてしまいますが、私がとやかくいう場面でもないですね
図の文字が小さくて読めない
図の文字が小さくて読めない時があります。印刷で潰れている感じです。
文字のフォントもカクカクでドットが見えています
昔の表やグラフなので、しょうがないかもしれません。
教えるのがちょいヘタ
私は塾講師や家庭教師をしてきましたが、この本には
「あれ?これ教える順序逆じゃね?」という場面がちょっとだけあります。
本の値段と買う価値があるかどうか
本の値段は5000円程度。
メルカリやネット中古本屋も探しましたが、なかなか値引きされておらず、人気の本であることがわかります。
中古でも4000円くらいはします。
1000円しか変わらないならと思い、私は新品を買いました。
新品、中古ともAmazonで購入できます。
本題は5000円を出す価値があるかどうかですが・・・
はっきり言って、この本には5000円の価値は余裕であります。
普遍的でデータに基づいたプロ視点の環境認識方法を知ることができ、かなりの情報量です。
この本から得た知識は、これから永続的に自分の力となるような知識だと感じています。
9800円とかでも売られてても私なら買うでしょう。
まとめ
おすすめできる人
- 中級者
- 相場の本質や普遍的な環境認識方法を知りたい人
おすすめできない人
- 確立したある一つの取引手法だけを知りたい人
- 難しい書物を読むのが苦手な人
感想
- 読むのに10時間、自分に落とし込むのに数ヶ月〜1年はかかる
- 情報量がかなりある市場で戦うための武器辞典のような本
- 「手法本」ではないので、読んですぐ勝てるようになる訳ではない
- 普遍的な環境認識方法を知ることができる
以上、「先物市場のテクニカル分析」実際に読んだ感想でした!
それでは!
先物市場のテクニカル分析 (ニューファイナンシャルシリーズ)
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