修論を書き終えました!長い大学院生活も終わりです。
この記事では修士論文を書いてみて思ったことを書いていきます。大学院に行くか迷っている方や、学生の修論執筆生活に興味がある方はみていってください!
もくじ
修論とは
修論(修士論文)とは大学院生(修士)が卒業前に提出するこれまでの研究まとめのこと。
大学院は2つの時期があり、「博士課程前期(2年間)」「博士課程後期(3年間)」があります。「博士課程前期(2年間)」のことを修士、「博士課程後期(3年間)」のことを博士といったりします。多くの学生は大学(4年間)→大学院修士(2年)→大学院博士(3年)→、、、と進んでいきます。もちろん、途中でほとんどの学生が就職していきますが。
このうちの「博士課程前期(2年間)」の最後に書くのが修士論文です。
大学や研究室によって制度は異なるかもしれませんがだいたいこんな感じです。
私の研究室は宇宙物理学
私の研究室のジャンルは宇宙物理学です。
宇宙からやってくる光をみて星やら宇宙やらについて色々考察します。その光を見るための装置、人工衛星や地上望遠鏡などの開発も研究テーマに入っています。
こう文字で書いて見ると宇宙物理学ってなんか かっこいいですね。めっちゃすごい研究してそうな感がしてきます。
私の修士論文
ここからは私の修士論文についてみていきます
テーマは中性子星
研究テーマは中性子星についてです。
太陽の8〜30倍程度の質量の星は最終的に爆発して中心に芯のようなものが残るんですが、これが中性子星です。
中性子星は質量は太陽くらい、大きさは直径20km程度、密度は太陽の100000000000000倍くらいあります(笑)
とんでもない星ですね。想像しにくいと思います。直径は20kmなのに質量は太陽程度って。。。
この中性子星なんですが、この広い宇宙では2つの中性子星がぶつかることがあります。すごい現象ですよね。。。
中性子星同士の合体では重力波っていう重力の波みたいなやつが出たり、いろいろな物質が合成されたります。私の研究テーマはここです。
ページ数 : 121ページ
ページ数は121ページになりました。まぁ半分以上が図なんですけどね。
実質研究期間(1年間)
実質研究期間は1年間程度です。私の進んだ博士課程前期は2年間あるので2年研究できるじゃん!と思いきや、多くの時間は研究テーマの模索に当てることになりました。
研究テーマを決めるには人類が知っていないことを調べる必要があります。それがめちゃめちゃ大変なんですよね。
その研究業界の研究最先端を調べ、誰にも解明できていない何かを挙げ、自分に挑戦できるか考える・・・
それら全てクリアして研究スタートです。または、研究テーマにできるかどうか調べる為に研究したりします。
この研究テーマ決めは一般の人が思っているよりはるかに大変なんです。
なので、最初の1年間は研究テーマの模索に費やすことになったわけです。あと、他には授業やTA(授業の手伝い)などがあります。
修論 執筆期間(1ヶ月強)
修論の提出締切は2月上旬。
私が修論を執筆し始めたのが年末年始の冬休みです。正月の実家に帰省している最中に書き始めました。なので、12月下旬〜2月上旬の1ヶ月強かかったことになります。
修士論文を書いた感想
修士論文を書いてみて、2つ大事なことがわかりました。
ストーリーの重要さ
修士論文を書く上で、いや、全ての論文を書く上でストーリーが非常に重要です。
どういう背景があって、どんな問題点があって、どういう風に解決したくて、どんな手を使って、結果どうなったのか、そこに考えられる理由と改善点は。
これが綺麗に繋がらないと読んでいてわからないし、その研究の重要性が全然伝わりません。
このストーリーを綺麗に構築する為には、やってきた研究をそのまま時系列順に語ってはいけないし、説明する研究背景や目的などは、自分の知識欲求や思いを抑えて適切なものを選択して書かなければいけません。
また、時には言い変え、もくじ構築力など国語的な力が必要です。
コミュ力
もう一つの大事なものはコミュ力。典型的な答えですまんな。
研究ではわからない事と日々出会いますが、調べたら大抵なんとかわかります。しかし、時には調べてもわからないこともあります。そんな時に必要なのがコミュ力です。
知らないことを人に聞きに行ける能力。これがすごい役立ちました。
人とは言うなれば万能AI。聞くだけで勝手に脳内検索して調べてくれます。わからなくてもどの文献を調べれば良いか教えてくれたり、より詳しい人を紹介してくれたりします。
大学院では本当に周囲の人の知識と知恵に助けられました。
今、自分の何かが進まない。本を使っても、検索エンジンを使っても進展がないという人は、人を使ってみてはいかがでしょうか。
大学院生って、修論執筆って、やっぱりしんどい?
大学院の研究生活、修論執筆ってやっぱりしんどいかと言われれば、
めっちゃしんどいですっ!
私の場合はストレス過多で帯状発疹になりました。
これまでの人生はあれやれ、これやれ、と他人から指図されて生きてきました。小中高と先生の言ってることをやって良い成績をとればよかったわけです。しかし、研究室に入ってからは、どのように何をするかは自分で大方決められます。そして、結果が出なければ自分の責任です。結果が出れば自分のおかげです。
ここでは、1から100まで全部の面倒を見てくれるような人はいないです。10くらいまでなら面倒を見てくれる人はいますが、結局は自分の研究。自分で考えて自分で動かないといけません。
できなければ、徹夜。
それでもできなければ、お叱り。
さらにできなければ、留年。
研究は労働ではないので、残業し放題です。労働基準監督署もなんも言いません。
楽しかったことは?
特にないです。
あ、後輩にプライベートでも遊べる飲み友ができたのが唯一よかった点かな。
まとめ
- テーマ:宇宙物理学
- ページ数:121ページ
- 実質研究期間:1年間
- 執筆期間:1ヶ月強
大事なこと
- ストーリー
- コミュ力
以上、大学院 修士生が修論を書いてみた話でした。
今となって考えると、研究自体は楽しかったし、その研究テーマについては日本の学生で一番知っている人になれたと思います。
本気でやってみると楽しくなるものですね。今はこの業界から去るのは若干勿体無い気がしています。こんなに知識と技術を身につけたのに。
これからは一般企業に就職するので、研究室生活のあれこれを活かしながら頑張りたいと思います。